「自家製天然酵母に挑戦してみたいけど、何から始めればいいの?」
そう考えているあなたに、まずおすすめしたいのがレーズン酵母です。
スーパーで手軽に手に入るレーズンを使って、自宅で簡単に天然酵母を育てることができます。
フルーティーで優しい風味は、パンやお菓子作りにもぴったり。
この記事は、そんなレーズン酵母の「作り方」を知りたいあなたのための、完全ガイドです。
酵母が活動した「酵母液」の作り方(起こし方)
パン作りに使える「元種」への育て方
日々の管理方法
そして失敗しないためのコツ
まで初心者さんにも分かりやすくステップごとに解説します。
さあ、この記事を読んで、あなただけのレーズン酵母作りの第一歩を踏み出してみましょう!
天然酵母の豊かな世界があなたを待っています。

天然酵母とは?自家製酵母の魅力、種類、作り方、パンへの使い方完全ガイド

自家製天然酵母の「作り方」完全ガイド:元種の育て方からパンへの使い方まで【初心者歓迎】

天然酵母の失敗原因と【症状別】解決策を徹底解説!膨らまない・カビ・固いを乗り越える
なぜレーズン酵母?初心者におすすめの理由
自家製天然酵母には様々な種類があります。
レーズン酵母が多くのパン作りの愛好家から選ばれ、特におすすめされるのには理由があります。
手軽さ
レーズンは年間を通してスーパーなどで簡単に手に入り、特別な材料は必要ありません。
起こしやすさ
レーズンの表面には天然の酵母菌が多く付着し、比較的酵母が目覚めやすいのが特徴です。
初心者でも成功しやすいと言われています。
風味の良さ
起こした酵母はフルーティーでクセが少なく、パンやお菓子の風味を邪魔しません。
どんなパンにも合わせやすい、優しい風味のパンが焼けます。
活動の分かりやすさ
酵母液を作る際に、レーズンが浮いたり沈んだり、泡がたくさん出たりと、酵母の活動が目に見えて分かりやすいです。
初心者にとっては安心材料です。
レーズン酵母作りに必要なもの(道具・材料)
レーズン酵母作りに必要なのは、身近なものばかりです。
始める前に準備しましょう。
清潔な保存瓶(煮沸消毒済み)
酵母液用と元種用。ガラス製がおすすめです。
蓋はガス抜きのため完全に密閉しないか、緩める必要があります。
スケール(計量器)
正確な計量のために必須です。
温度計
発酵温度の管理にあると便利です。
レーズン
無添加・ノンオイルのものがおすすめです。
農薬が気になる場合は軽く洗うという方法もあります。
しかし、酵母も洗い流す可能性もあるため、洗わない方法が一般的です。
今回は洗わない方法を基本とします。
水
塩素を除去した水が良いです。
ミネラルウォーター(硬度が高すぎないもの)か、一度沸騰させて冷ました水道水を使います。
砂糖(お好みで少量)
酵母の初期の餌になります。
必須ではありませんが、活動を助ける場合があります。
強力粉などのパン用粉(元種用)
元種を作る際に必要です。
ライ麦粉などをブレンドしても良いです。
【ステップ解説】レーズン酵母の「酵母液」の作り方(起こし方)
まずは、酵母が生きている「酵母液」を作りましょう。
ここがレーズン酵母作りの第一歩です。
瓶の準備
保存瓶は必ず煮沸消毒するなどして清潔にし、しっかりと乾燥させます。
材料を入れる
瓶にレーズンと水を入れます。
目安はレーズン:水=1:3〜4 程度です。
お好みでレーズンに対して数%(例:水の量の1%程度)の砂糖を加えます。
例:レーズン 50g、水 150g
蓋をして振る
蓋をしっかりと閉め、瓶を振って全体を混ぜ合わせます。
温度管理して置く
蓋を軽く緩めるか、完全に閉めずに瓶の口に乗せる程度にし、25℃〜30℃程度の場所に置きます。
直射日光は避けてください。
1日に1〜2回振る・観察する
1日に1〜2回、蓋をしっかり閉めて瓶を振り、空気を入れるように混ぜます。
その後、蓋を緩めて発生したガスを抜きます。この時に酵母の活動を観察します。
酵母が活動しているサイン
数日すると、プクプクと細かい泡が出てきたり、沈んでいたレーズンが浮かんできたり、液体が少し濁ってきたりします。
甘酸っぱいような良い香りがしてきます。
注意!
表面に白い膜が張る(産膜酵母という酵母の一種で無害なことが多いですが、取り除いてください)のは問題ありませんが、青や黒っぽいカビが生えたら失敗です。
残念ですが破棄してやり直しましょう。
完成を見極める
酵母液が元気な状態(振ると勢いよく泡が出る、レーズンが浮き沈みを繰り返す、良い香りがする)になったら酵母液の完成です。
目安は3日〜1週間程度です。
温度や環境によって変動します。
漉す
完成した酵母液は、キッチンペーパーなどで漉して瓶に移し替えます。
冷蔵庫で保存し、1週間〜10日程度で元種作りに使用しましょう。
【ステップ解説】「酵母液」から「元種」を作る(育て方)
完成した酵母液を使って、パンを膨らませる力のある「元種(もとだね)」を育てます。
材料を混ぜる
酵母液とパン用粉(強力粉など)、必要であれば水をボウルなどで混ぜ合わせます。
目安は酵母液:粉=1:1 程度ですが、酵母液の水分量や使いたい元種の固さで調整します。
例:酵母液 50g、強力粉 50g
液体の元種にしたい場合は、さらに水分を加えて混ぜます。
温度管理して置く
蓋をできる容器に移し、蓋を緩めるか被せる程度にし、25℃〜30℃程度の場所に置きます。
継ぎ足して育てる
1日1回程度、元種の状態を観察し、新しい粉と水(または酵母液)を加えて混ぜ合わせます(継ぎ足し)。
量は元の元種の同量か半分量などが目安です。
継ぎ足すことで酵母に餌を与え、どんどん元気にします。
元種が育っているサイン
継ぎ足すごとに数時間で元の1.5〜2倍に膨らむ、細かい気泡がたくさん入る、良い香りがする。
完成を見極める
継ぎ足した後、元気よく膨らみ、安定して同じような状態になるようになったら元種の完成です。
目安は3日〜5日程度です。
レーズン酵母の「元種」保存と継ぎ足し
完成した元種は、すぐに使わない場合は冷蔵庫(5℃以下)で保存します。
冷蔵保存すると酵母の活動が緩やかになり、長期保存が可能です。
保存
清潔な容器に入れ、蓋を緩めて冷蔵庫に入れます。
定期的な継ぎ足し
冷蔵保存中でも酵母は活動しているので、1週間に1回程度、冷蔵庫から出して同量程度の粉と水を加えて混ぜ、常温で少し活性化させてから再度冷蔵庫に戻す「継ぎ足し」を行います。
これで元種の力を維持できます。
パン作りに使う前の活性化
冷蔵保存していた元種を使う場合は、前日などに冷蔵庫から出し、新しい粉と水を加えて継ぎ足し、常温で元気よく膨らむまで(通常数時間)活性化させてから使用します。
レーズン酵母を使ったパン作りへ(レシピへの入口)
元気なレーズン酵母の元種ができたら、いよいよそれを使って美味しいパンを焼いてみましょう!
天然酵母を使ったパン作りは、ドライイーストとは異なるレシピや発酵時間が必要になります。
天然酵母パンのレシピはこちら

【グルテンフリー】レーズン酵母米粉パンレシピ:ふわもち食感と優しい風味
もしもの時も慌てない!レーズン酵母の失敗とトラブルシューティング
レーズン酵母作りで起こりうる失敗と、その原因、対処法を知っておけば、慌てずに対応できます。
酵母液の泡が出ない
温度が低い、材料が古い、酵母が少ない、清潔でないなど。
温かい場所に置く、数日様子を見る、必要なら少量砂糖を加える、またはやり直す。
酵母液にカビが生えた
雑菌が入った、温度が高すぎる、乾燥したなど。
残念ながら破棄して最初からやり直す。
容器の消毒と清潔第一!
元種が膨らまない
酵母液の力が弱い、継ぎ足しの頻度や量が合わない、温度が低いなど。
酵母液の状態で判断する。継ぎ足し頻度や量を調整する、温度を保つ。
元種から異臭がする
腐敗臭やシンナーのような刺激臭は危険信号。
雑菌が入った可能性。
破棄してやり直す。
自家製天然酵母作りの詳しい失敗例とトラブルシューティングはこちらの記事が参考になります!
レーズン酵母作りは、自家製天然酵母の世界への素晴らしい入口です。
手軽な材料で始められ、酵母の活動も分かりやすいため、初心者さんでも「自分で酵母を育てられた!」という感動を味わいやすいでしょう。
この記事で解説したステップを参考に、ぜひあなたもレーズン酵母作りに挑戦してみてください。
ぷくぷくと泡立つ酵母液
元気いっぱいの元種
そしてそれを使って焼き上げた美味しいパン…
きっとあなたのパン作りライフがもっと楽しく、豊かなものになるはずです。
レーズン酵母作りに慣れてきたら、他のフルーツ酵母や、本格的な酒種など、様々な天然酵母作りにも挑戦してみるのも面白いですよ!
天然酵母の世界を存分に楽しんでくださいね。