自家製天然酵母「酒種」を使ったパン作りに挑戦していると、「元種」「本種」という言葉をよく目にしますよね。
「元種と本種って、何が違うの?」
「どういう関係があるの?」
「パン作りの時は、どっちを使えばいいの?」
そう思って「酒種 元種と本種 違い」と検索されたあなたへ。
これらの言葉は、酒種を継続的に育て、パンを焼く上で非常に重要なキーワードです。
違いを理解すると、酒種作りの工程がぐっと分かりやすくなります。
今回の記事では、
酒種における「元種」と「本種」の違い
それぞれの「役割」
簡単な「作り方(起こし方)」
二つの「関係性」
を、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。
酒種作りの用語をマスターして、もっとスムーズに、もっと楽しく酒種パンを焼きましょう!
酒種「元種」と「本種」違いを分かりやすく解説!
酒種における「元種」と「本種」の違いを、結論から分かりやすく説明すると、以下のようになります。
元種(もとだね)
あなたが日頃、種継ぎをして**継続的に管理・維持している、酒種の「母体」となるタネのこと。
パンを焼かない時も、これを生かしておきます。
本種(ほんだね)
パンを焼く際に、その都度「元種」の一部を取り分けて、パン生地を膨らませるために新しく起こす、パン作りのための「本番用」のタネのこと。
簡単に言うと、「元種」は維持管理している「お母さんのタネ」、そこから分けてパンを焼くために準備するのが「本種」、という関係性です。
酒種「元種」とは?(母体となるタネ)
酒種「元種」は、あなたが酒種作りを始めて最初に成功した発酵種、またはそこから定期的に種継ぎ(餌やり)を繰り返して維持している酒種のことを指します。
【役割】
酒種の酵母や微生物を生きた状態に保ち、継続的に次のパン作りができるように維持管理すること。
種継ぎを行うのはこの元種に対してです。
【特徴】
日々の維持管理がしやすいように、比較的少量で管理されることが多いです。
冷蔵庫で保管して発酵をゆっくりにしたり、常温で頻繁に種継ぎをしたりと、管理方法はいくつかあります。
酒種の「生命線」とも言える存在です。
酒種元種の正しい管理・種継ぎ方法はこちらで詳しく解説しています!
酒種元種の種継ぎ頻度ガイド:冷蔵・常温での正しいタイミングと見極め方
そもそも酒種元種の最初の作り方はこちら!
自家製「酒種元種」の作り方:米麹とご飯で育てる伝統酵母【完全ガイド・失敗しないコツ】
酒種「本種」とは?(パン作りのために起こすタネ)
酒種「本種」は、あなたが「よし、今日はパンを焼こう!」と思った時に、元種の一部を取り分けて、パン生地を膨らませるのに十分な量と活性を持つように改めて起こす(育てる)タネのことです。
多くのレシピでパン生地に直接加えると書かれている「酒種」は、この本種を指す場合が多いです。
【役割】
一度のパン作りで、パン生地全体をしっかり膨らませるだけの十分な酵母と発酵力を用意すること。
パンに酒種の風味をプラスする役割もあります。
【特徴】
元種よりも多めの餌(ご飯、米麹、水など)を加えて起こします。
レシピで指定されたパン生地量に対して適切な量を用意し、酵母が最も元気で発酵力が高い「ピーク」の状態でパン生地作りに使います。
一度パン生地に使われたら、本種自体はそれきりで(一部を次の元種にしない限りは)終わりの役割です。
本種の起こし方(簡単な流れ)
- 元気な酒種元種を、レシピで指定された量だけ取り分ける。
- 取り分けた元種に、レシピで指定された量のご飯、米麹、水などを加える。
- 混ぜ合わせて、暖かい場所で酵母が活発に働くまで数時間〜半日程度置いておく。
- ぷくぷくと泡が出て、元気に膨らんだら本種起こし完了!
酒種を使ったパン生地の詳しい作り方(本種の使い方を含む)はこちら!
米粉酒種パンレシピ:自家製酒種で作る簡単ふわもち天然酵母パン
元種 → 本種 → パン生地:酒種作りのプロセス
酒種を使ったパン作りの流れは、以下のようになります。
- 最初に酒種を作る: これがあなたの「酒種元種」になります。
- 酒種元種を維持する: 定期的に種継ぎをして、冷蔵庫などで保管し、酵母を生かしておきます。
- パンを焼く準備: パンを焼くレシピに従い、酒種元種の一部を必要な量だけ取り分けます。
- 本種を起こす: 取り分けた元種に、レシピで指定された新しい餌(ご飯、米麹、水など)を加えて混ぜ、暖かい場所でパン生地に必要な量と活力を持ち、プクプクと元気な状態になるまで育てます。これが「本種」です。
- パン生地を作る: 元気になった「本種」を、パン生地の材料(米粉や小麦粉、水、塩など)と混ぜ合わせて生地作りを行います。
- パンを焼く: 生地を発酵させて焼成します。
- 残った元種: 手順③で使った残りの元種は、引き続き種継ぎをして維持します。
このプロセスを経ることで、酒種の命をつなぎながら、美味しいパンを焼くことができます。
なぜ「元種」と「本種」を分けるのか?
酒種を「元種」と「本種」に分けて管理し、使用するのには、以下のような合理的な理由があります。
維持管理とパン作りの目的が違う
元種は「とにかく酵母を生かしておくこと」が目的。
本種は「一度のパン作りで最大限の酵母の力を発揮させること」が目的です。
目的に合わせて管理・調整方法が変わります。
全体を使い切らずに済む
大切に育てている元種を、パンを焼くたびに全て使うわけにはいきません。
一部を取り分けて本種とすることで、元種本体は減らさずに済み、継続して使うことができます。
発酵力の調整がしやすい
パン作りのために必要な本種は、量や餌の比率、温度などを調整することで、そのパンに最適な発酵力を持つように起こすことができます。
酒種元種の管理方法|種継ぎの頻度・量、冷蔵庫保存、失敗しないコツ
酒種作りに関する用語解説(パン種など)
パン種(ぱんだね)
パンを膨らませるために使う、酵母や乳酸菌を含む発酵種の総称です。
酒種もパン種の一種です。
サワー種やレーズン酵母などもパン種に含まれます。
酒種の世界では、「元種」「本種」という言葉が区別して使われることが多いです。
生種(なまだね)
天然酵母において、粉と水を合わせて発酵させた、水分量の多いペースト状のタネを指すことがあります。
酒種元種も水分量によっては生種と表現されることもありますが、酒種の場合は特に「元種」という言葉が一般的です。
酒種とは何か?全体の解説はこちらも参考に!
酒種とは?日本の伝統酵母「酒種」の魅力、作り方、使い方を徹底解説【完全ガイド】
酒種「元種」は母体、そこから「本種」を起こしてパンを焼く!
酒種における「元種」と「本種」は、酒種の命を継続的に維持するための「母体」と、その母体から一部を取り分け、パン作りのために活性化させた「本番用」のタネ、という違いがあります。
元種を適切に管理し、パンを焼く際にそこから本種を起こす、というプロセスを理解することが、酒種を使ったパン作りの基本です。
この記事を参考に、元種と本種の違いをしっかり理解して、ぜひご自身の酒種作りとパン焼きに活かしてください。
用語が分かれば、レシピや情報ももっとスムーズに理解できるようになるはずです!